大坂なおみ選手の行動

ウエスタン・アンド・サザン・オープンで準優勝した大坂なおみ選手

２０２０年の８月に行われた、全米オープンの前哨戦と言われる、ニューヨークの同じ会場で行われたウエスタン・アンド・サザン・オープンで大坂なおみ選手は準優勝した。
決勝戦は残念ながら『棄権』している。『棄権』した理由は、初戦のあとに違和感が生じた左大腿部の状態が悪化したためのようだ。

しかし、今回紹介したい大坂なおみ選手の行動は決勝戦より前の起こったもう１つの『棄権』にまつわる出来事についてだ。

準々決勝に勝利した夜に『明日は試合をしない』と言った理由

大坂なおみ選手は、準々決勝に勝利した夜の８時頃に、SNSでこう発信していたようだ。

なぜ、それを発信したのかは皆さんもご存知だろう。下記の事件がアメリカのウィスコンシン州で起こったからだ。これは、『抗議の棄権』と世界中に報道された。

【黒人男性が白人警官に背後から銃撃されて重体となった】

このような事件は、私もしばしば耳にしたことがある。実際の詳細な状況も知らないし、もしかしたら正当な理由による銃撃だったのかもしれない。しかし、アメリカではプロスポーツを巻き込んで良く問題になっていることだ。毎年このようなニュースを聞く気がする。

大坂なおみ選手の行動に対して、女子ツアーを管轄するWTAと男子ツアーのATP、USTA（全米テニス協会）が共同で声明を出した。

準々決勝で勝利したあとに大坂なおみ選手がアップしたSNSには、実際には下記のように細かく記載されていたようだ。

報道では当初、『棄権』という言葉が印象的だった記憶があるが、大坂なおみ選手の行動に対して各テニスの団体も呼応してくれたのではないかなとも感じる。どちらにしても、良いニュースではないことは確かであたり構わず起こっていい事件ではないと私は感じる。
『お前は静岡県出身だから背後から銃撃されてもしょうがない』
ということと大差ないことなのかもしれないと、私は感じる。

日本人の反応

下記の記事を見つけた。東洋経済オンラインの記事だ。

大坂なおみを批判する人に知ってもらいたい事

大坂なおみがトーナメント欠場を発表すると、日本ではツイッター上に否定的な意見が並んだ（写真：Hannah Mckay／ロイター）

私は日本人だ。大坂なおみ選手も日本人だ。しかし、この記事によると２７日（準決勝）の試合に出ないことを発表してから、日本人から彼女のSNSには否定的な意見が寄せられたようだ。具体的には下記の通りだ。

• あなたはもう日本人ではない
• アスリートが政治的立場をとるべきではない
• そもそも撃たれた黒人が悪い
• もうあなたが出ている会社の商品は買わないし、テニスも見ない

このような日本人からの意見があるそうだ。
この記事を見たときに私の頭の中では「？？？？」が並んだ。「日本人」のなのか、「人」のか、とても嫌な部分が垣間見える。SNSというツールが広がったデメリットの１つでもあるのかもしれない。以前、『SNS関連への書き込み』に関するブログをアップした。そう、女子プロレスラーであった木村花選手についてのブログだ。
相手に見えないことをいいことに、事実確認も大してしないうちに思っていることを配慮も無くあげる・・・。なぜ、そうなってしまうのか。

銃撃事件を見て良い思いをした人の方が少ないと思う。先日も警察官に過剰に取り押さえられた黒人男性が首を膝で押さえつけられて亡くなるという痛ましい事件があったのは、皆さんも記憶に新しいことではないかと思う。
少なくとも大坂なおみ選手は、自身が話しているように黒人女性として同じ黒人を助けたいという気持ちから来ているのだろう。私も、同じ静岡県出身ということだけでも親近感がわくことはたくさんある。

大坂なおみ選手

そもそも、大坂なおみ選手はまだ２２歳。私が２２歳の頃なんて世界どころか自身の生活で手一杯だったころだ。そして、彼女は今年だけでも約４０億円の収入があるほどにお金もしっかり稼いでいる。私の何十倍のレベルではない稼ぎだ。世界でもトップレベルの女性アスリートである。
そして、もちろん彼女の影響はたくさんの人に影響を与える。彼女自身のアイデンティティを保ったままの発言などでだ。