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引退試合 ~横浜創英高校女子ハンドボール部~

代替大会ではなく引退試合

先日に、伊東商業高校男子バレーボール部の『代替大会』の結果をアップした。今回は横浜創英高校女子ハンドボール部の『引退試合』について。『代替大会』ではなく『引退試合』『代替大会』が無いわけではないのだ。

『代替大会』は8月13日に行われるが、本来の総体県予選は例年6月には終了する。それが2か月もあとになると、他校の状況もさまざまだろう。進路の兼ね合いですでに引退を決めている高校も多いかもしれない。そうでなくても、公立高校の部活動はガイドラインを見ても再開も遅く練習制限も多かったりする。(このガイドラインの時差短縮Ⅱが7月に神奈川県教育委員会から発表されたガイドラインにより大幅に短縮されている。)

また、『代替大会』はおそらく保護者の観戦はできないと想定もされる。そして、大会自体は県全域ではなく各地区に分かれてのリーグ戦になるということらしい。今の神奈川県の新型コロナウイルス感染症の状況を鑑みれば、妥当だと思う。

そんなこともあり、顧問の先生は燃え尽きることもできるかわからない大会を最後とするなら、よく練習試合などをしていた強豪校との大会を『引退試合』として臨ませる選択をしたのだと思う。実施した会場の好意もあり、保護者も観戦ができたしそれで良かったのではないかと個人的にも感じる。

 

いろんなことがあった3年生 ~選抜関東予選まで~

今年度の3年生は新チームになり、たくさんの出来事があり過ぎた。新チーム当初、顧問の先生に3年生だけで呼び出され、
『お前たちのチームは全国でも上位に入る可能性がある。』
と発破をかけられ、その言葉を心にまずは春の全国大会出場に向けて必死に練習に取り組む。

迎えた1月の全国選抜県予選。全国選抜大会の関東予選に出場するためには、最低でも2位以内に入る必要がある。しかし、3年生の主力メンバーが大会期間にインフルエンザにかかってしまう。ベストメンバーがそろわない中、チームで団結してなんとか2位に入るが、ライバルには敗北、チームとしては反省点が残る大会となった。

令和元年度 関東選抜大会2次予選 結果

その失敗を繰り返さないように2月の全国選抜関東予選に臨もうと意気込んだが、今度は別の主力の3年生がインフルエンザにかかってしまう。
また、2位に入ったのは最低ラインだが1位通過と2位通過では全国大会の出場までの条件が天と地ほどの差がある。

  • 関東大会は1位トーナメントと2位トーナメントに分かれる
  • 1位通過の場合
    各都県の1位とのトーナメントとなり、初戦勝てば全国決定。1回負けても負け残りで次に勝てば出場決定。そこでさらに負けても2位トーナメントを勝ち上がったチームとさらにもう1度チャンスがある。
  • 2位通過の場合
    各都県の2位とのトーナメントとなり、全国大会の出場を決めるには最低でも3連勝が求められる。2位トーナメントで2連勝すると、1位トーナメントの負け残りのチームとの対戦があるのだ。それに勝つことで初めて全国大会の出場が決まる。

※ただし、前年の全国選抜大会に関東から出場したチームがベスト4以上に入るとさらに1枠増えるため令和元年度は1位トーナメントとの試合に負けてももう1度チャンスがある状況だった。

我々スタッフ陣も、なんとなく厳しいチーム状況を口に出したら終わりだと感じたのか、その話しは一切口に出さずに大会を迎える。

結果として、上級生はもちろん、下級生の活躍もあり2位トーナメントを3連勝することで全国大会の切符を手にすることができた。
この大会後の脱力感といったら、何もしていないのに大きなものだった。選手たちの身体的な疲労はもちろん、精神的な疲労はとても大きかったことだろう。

 

いろいろなことがあった3年生 ~引退試合まで~

全国大会の切符を掴み、3月下旬の大会までにこんどこそ全員揃い、チームとして定めていた大会に臨もうと意気込んだ2月の半ばあたり。これは、全国的に、いや世界的な危機を迎えることが起こった。新型コロナウイルス感染症の大流行だ。
これにより、3月初頭に行くはずだった県外の遠征は中止。部活動どころか学校も休校となってしまう。そんな中、あっという間に3月の全国選抜大会の中止が発表されてしまう。

そして、緊急事態宣言の発令。この時の3年生のショックはいかほどか・・・。想像することは難しいが、私の役割としても何とかインターハイの開催を信じて、体力を最低限に落とさずかつ、新型コロナウイルス感染症にならないように感染対策も考慮してトレーニングプログラムを4月から提供していった。

しかし、先は一向に見えず、4月下旬にはインターハイの中止が発表される。それに応じて神奈川県のインターハイ予選も中止。これにともない、顧問の先生は先が見えない状況を考慮して一旦進路に目を向けて取り組むようにさせる。3月の全国大会の中止が発表されてから2か月も経っていない・・・。夏のインターハイにかけようとなった矢先の出来事だった。
2回しかない全国大会のチャンスを2回とも奪われてしまった3年生のショックは全国選抜大会の中止の時をさらに超えるものだっただろうと思う。私は高校野球をしていたが、『大会が中止になる』という発想自体がそもそもなかった・・・。

この後に、6月下旬ごろになると一時的な収束がみられ学校や部活動は少しずつ再開。経済活動も少しずつ動き出していた。そんな中、代替大会をやろうということになったようだが、少しずつ感染者が増え始めていたことなどもあり、冒頭にあったような流れになって引退試合を無事に終えることが出来たのだ。

 

当日に対戦した各校のチームや会場等を整え、公式な審判も準備して頂いたことでできる限りの公式戦に近い状況が整えられました。関係者の皆には感謝を申し上げます。

 

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