英国で両脚に義足をつけ1カ月で6マイル完走したトニー・ハジェル君(5)/Gareth Fuller/PA/Getty Images
2020年7月2日CNNより
トニー・ハジェル君
トニー君は新生児のときに、生みの親の2人から虐待を受け、ロンドン市内にあるエバリーナ・ロンドン小児病院で生命維持装置を装着するほどの状態になった。
そもそも新生児とはどのくらいの年齢のことを言うのか、乳児や幼児なども含めて調べてみた。
- 新生児:出生後4週未満
- 幼児:生後4週以上、1歳未満
- 小児:7歳以上、15歳未満
つまり、トニー君は生まれて4週間以内に虐待を受けたわけだ。想像を絶する状況だったことだと思う。とても考えられない。トニー君は、この世に産まれおちて4週間程度で生死の境を体験し、それを乗り越えてきた。それだけでもすごい生命力だ。
しかし、代償は大きく命は助かったが3年前なので2017年頃か、両足を切断する手術を受けている。厳しい現実をつきつけられた。
トニー君の思い
生後間もないころに自身の命を救ってくれたロンドン市内の小児病院のために1か月で約10kmを歩き寄付を呼び掛けた。当初は6月いっぱいの歩行を続けることで、同病院のために500ポンドを集める予定だったそうだ。
実際に集まった寄付金は7月1日時点で110万ポンド(約1億5000万円)が集まっている。
トニー君は現在は、養父母と生活しているようで養母曰く
「ほんの数週間前までトニーは数歩歩くことも難しかったことを考えると、信じられないような気持ちだ。彼は強く、諦めない心を持つ男の子。本当に誇りに思う。」
と話している。
本当にいろいろな意味で逞しいトニー君に対して、イギリス国内でも有名人たちが支援を表明しているようだ。
- イギリス王室:キャサリン妃・ウイリアム王子
トニー君を称えるメッセージ - イギリスのキャメロン元首相
- イギリスプレミアリーグ・チェルシー所属
アスピリクエタ選手
集まったお金は、養父母がトニー君の「第2の家」と呼んでいるエバリーナ・ロンドン小児病院に寄付される。
この病院では、毎日約300人のこどもたちが訪れており、年間では100,000人を超える診療を行っている。このうちの6,000人程は心臓疾患を持っているそうだ。
トニー君の力は、同じこどもたちの希望にもなっている。
トニー君のこのチャレンジのきっかけは、100歳の退役軍人である「トム大尉」と言われるムーアさんがきっかけだったそうだ。
ムーアさんは自宅の庭を100周歩くことでイギリス国民保健サービス(MHS)のために4000万ドル(約43億円)以上を集めた。
健康や運動は見かけだけではなく、精神的なものが支えているということを実感させてくれるトニー君のチャレンジだ。