中学・高校の部活動や学校体育の運動再開にも有意義だ
サポートしている高校のハンドボール部の活動再開の時の注意点を整理するためにいろいろと調べています。
前々回は競技団体が出しているイベント開催時のガイドラインを、前回は海外のサッカーの事例を参考にしてみた。
今回は、日本スポーツの中枢でもある JAPAN SPORT COUNCIL のハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)にトップアスリートや部活動、学校体育なども含めた段階的なスポーツの再開のガイドラインが提示されていたのでこちらの情報も参考にしていきたい。
今回まとめていて有意義な情報は活動再開のガイドラインを、緊急事態宣言下、そして宣言が解除されても感染リスクがまだ高い時期にリスクを考慮しながらどのように練習強度を上げていけるかというものがPhaseとして提示されていることだ。
新型コロナウイルスの脅威は、おそらくワクチンが開発されて実用化されない限りは、多少の感染者を出しながら共存をせざるを得ない状況に入ると思う。その期間は1か月程度の短いスパンではないだろう。その期間の取り組み方の基準が見えた気がする。
HPSCのガイドライン
JAPAN SPORT COUNCILのハイパフォーマンススポーツセンターのページから下記のPDFがダウンロードできる。
- 今後の活動に向けた段階的準備の考え方
- 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)対策としてのスポーツ活動再開ガイドライン(HPSC版)
両方とも5月20日にアップされていた。
これらからポイントをまとめてみる。
① 学校体育や市民スポーツも考慮されている
今までは、学校体育や部活動、市民スポーツなどある程度スポーツを取り組んでいる人に対しての具体的なものを見ることが無かったので授業の体育や部活動の指標になるだろう。
②緊急レベルに応じた個人・対物トレーニング・対人トレーニングの取り組みが明示
個人的には、この基準が知りたかった。取り組む環境にもよるのかもしれないがこの段階的な指標が無いと、今も言われている各競技の代替大会開催の決定も判断しずらいだろう。
もちろん、柔軟に対応することが必要だと思う。こちらは、上記にもリンクしたPDFの
【表1:HPSCにおけるスポーツ活動再開ガイドラインの各Phaseの考え方】を参照のこと👇
③そのほかの感染予防対策
その他、さらに留意すべき感染予防も記載があった。これらを基に私の見ている高校のハンドボール部の対応を考えてみた。環境を留意すれば、一部を修正してほかのスポーツにも生かせるはずだ!
ハンドボールの練習再開のために
これらをもとに、前々回の団体のイベント開催に対してのガイドラインや前回の海外のサッカーの取り組みなども参考に、ハンドボールの練習再開に活きる情報をまとめてみた。
下記の許可が出ているという前提の下で進めていこう。本来なら、選手やスタッフは公共交通機関は使わずにということだが、これなら、通常の移動も所定の感染対策を意識していれば大丈夫という前提になるので、登下校の感染は基本的には起こらない前提だ。
各自治体・高校が部活動の許可も出した状態からのスタート
部活動の許可がおりました!
- 再開から2週間程度
スタッフ:数名(マスク着用)
選手:2~6名程度(1週目:3名 2週目:6名など)
※ボールなどの道具や接触のあるメニューは行わない。
※連日行わず最低でも中1日 - 2週間~4週間程度
スタッフ:数名(マスク着用)
選手:6~12名程度(1週目:6名 2週目:12名など)
※ボールなどの道具を使ったメニューを導入、接触メニューはまだ。
※連日行わず最低でも中1日 - 4週間~6週間程度
スタッフ:数名(マスク着用)
選手:12名~18名程度(練習場の広さにもよる)
※接触メニュー開始
※1週間に2日ほど休息 - 6週間以降
スタッフ:数名(マスク着用)
選手:18名~
※通常練習へ
※対外試合はこの後か。
※遠征などは各自治体や遠征先の地域、高校を考慮して判断
ほかのスポーツでも!
スタッフ・選手の参加人数については、競技や通常練習場所の広さ、屋内・屋外施設、更衣室などの環境等を考慮した上で調整すれば、ほかのスポーツでもあとは大きく変わらないと思われる。
そのほかのチェックポイントとして
- 学校再開の2週間前から体調・行動を記録する
潜伏期間を考慮し、少なくとも部活動再開の2週間前からは下記3点を記録!
① 体温・体調計測(AM・PM)
② 訪問した場所と時刻
③ 濃厚接触に該当すると思われる人の氏名、人数など - 着替える場所
部室の使用は控え教室で着替えてから移動し練習後に教室に戻り着替えて帰宅
シャワーなどは使わず、ウェットティッシュなどで汗などを拭きゴミは必ず持ち帰る。 - 指導の仕方
初期は口頭での指示のみで接触はしない。接触指導は4週目以降。
いかがだろうか。ぜひ、ご意見を頂きたい!
前回までにまとめたものが下記の内容だ。これらも考慮してポイントをまとめて提示してみよう。ある程度のイメージが出来てきた。ぜひとも、皆さんの意見を伺いたいところだ。
- 少人数での練習再開
ハンドボールならぐら運動の広さも含め5~6人か。 - ソーシャルディスタンスを確保
いきなりの接触練習は控え距離を保ったメニューの段階的導入。 - 練習後に道具等の消毒(もしくは洗浄)
毎回の消毒は現実的に困難と思われるため水洗いが現実的だろうか。 - 唾や痰をはくことはなるべく行わない
- タオルは共用しない
- 飲食は指定場所以外で行わず距離をとる
- 飲みきれなかった水分などを指定場所以外に捨てない
(飲料をフィールドに巻いたりしない)
注意ポイント
サポートしているチームは、もともと緊急事態宣言下での基礎体力をなるべく落とさないトレーニングメニューを4月から継続している。内容は、体幹・腹筋・上半身・下半身のトレーニングと持久系のトレーニングだ。
これらを4・5月と感染予防等を考慮して取り組んでいるので、今回のガイドラインの 【Alert Level:A Phase1・2】の段階は省いている。ここの取り組みがなされていない際は、低下した体力をゆっくり確実に戻していくことが大前提となります!
今後も、ヒントになるような情報をまとめていこうと思う。